味にコクを出す!鍋で炒めるときの注意点
【大阪福島】心がラクになる料理教室SUNROOM代表
レシピ案内人・整理収納アドバイザー 服部まどかです。
5回にわたる圧力鍋シリーズも今回で終わりです。
最後までお付き合いくださりありがとうございます♡
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前回の記事では、安全な圧力鍋の使い方について説明しました。
https://sunroomcooking.com/easycookingtips/608/
ここで少しだけ、前回の復習をします。
加圧の仕組み
圧力鍋とは、「蒸気が発生することでなべ内の圧力が上がり、おもりから蒸気を排出させることで一定の圧力を保ち、高温高圧で短時間に調理できる器具です。」
~パール金属圧力鍋の取説より~
このように、圧力鍋料理では蒸気の力を使って加圧します。
なので煮物の場合、多少水っぽくなるのは否めません…
蓋を取ってから水分を蒸発させるように煮詰めれば、解決できますけどね。
少しでも水っぽさをなくし、香ばしくコクのある仕上がりにしたいときに必要なのが「素材を炒めてコクを出す」という作業です。
今回の記事では、この「炒める」という作業に注目してコツを書いていきますね。
鍋で炒めると鶏肉がひっついてボロボロになる⁈
筑前煮、または肉じゃがのような和風の煮物を作るとき、レシピにまず書いてあるのが「鶏肉を入れ、色が変わるまで炒めてからレンコンを入れ…」ということ。
この作業の時、鶏肉が鍋肌にくっついてしまい、無理やりはがそうとしてボサボサになってしまった!!(泣)
という経験、ないでしょうか??
コクを出すために、まず炒めてから煮るという作業。この炒める作業が、意外と難しい。フライパンではなく、鍋で炒めようとすると引っ付きがちですよね。
だからといって、わざわざフライパンで炒めてから鍋に入れて煮込むというのも手間が増えるし(泣)
このように、鍋に肉がくっつく!というお悩みの方は、もしかしたら、予熱が適切でないのかもしれません。
ポイントその1・予熱の温度に注意
こんなまとめ記事を見つけましたのでご覧ください。
一般な焼き始め温度は、卵焼きやホットケーキが150~160℃、ハンバーグやギョウザは170~180℃、炒め物は200℃くらいです。
予熱不足で材料を入れると「焼く」のではなく、「煮る」温度で調理を始めることになってしまいます。きちんと予熱して香ばしい焼き色をつけ、おいしく調理してください。
●温度の指標
そこで、予熱したフライパンに水滴を落とし、温度と水滴の状態の関係を比べてみました。
「フッ素樹脂加工」「セラミック加工」は、落とした水滴の中の気泡の状態で温度を確認することができます。100℃では気泡はすぐにできず、150℃では小さい気泡、180℃では大きな気泡ができます。200℃のときの水滴はすぐに沸き立ってすべり始め、250℃では水滴がそのままの形で転がります。(表)
一方「鉄」は、100℃では水滴の中にわずかに気泡ができ、150℃ではすぐに煮立ち、180℃では玉になった直後に蒸発し、200℃では水を落とした瞬間に小さな粒になって飛び散り、250℃では蒸発することなく、「フッ素樹脂加工」などと同様に水滴がそのままの形で転がります。
以下、リンクを貼っておきます。ほかにも面白そうな記事がたくさん♡
https://archive.fcg-r.co.jp/compare/foods_140905.html
鍋の素材が鉄なのか、ステンレス又はテフロン加工なのかで目安となる水滴の形状が多少違いますのでご注意ください。(写真はテフロン加工のものです)
でも、温度計を使わずに水滴で目安温度をチェックできるのは便利ですね。
このように、圧力鍋で炒めてから煮込むときは、180~200℃を目安に予熱してから炒めてみてくださいね。
温度に気を付けるだけでも、お肉がボロボロという事態をかなり防げると思います。
ポイントその2・木べらを使うタイミング
ポイントその1でも書いたレシピ例。「鶏肉を入れ、色が変わるまで炒めてから…」
いつも思っているのですが、この、「炒めてから」という表現が良くない。
むしろ、素材を香ばしく焼き付けてからという表現がしっくりくると常々思っています(笑)
ポイントは、適切な温度で予熱し、素材を入れて香ばしく焼き付け少し浮いてきたら木べらで上下を返す
ということ。
炒めるという表現だと、せわしなくいじっている感じなのですがそうではなくて、少し放置して焼き付け、香ばしさを出します。そうするうちに、素材から水分が出てきて鍋底から少し浮いてくるんですよね。
このような状態まで待ち、木べらで上下を返せば引っ付いて肉がボロボロという状態から脱出できます。
せわしなく手を動かさず、一呼吸待って、深呼吸してから木べらを使ってみてはいかがでしょうか?
ポイントその3・それでもくっつく場合の裏技
ポイント1,2を守っても、残念ながら引っ付いてしまうことはあります。例えば、薄めのお肉で脂分が少ない部位のばあいなど(泣)
そんな場合のとっておきの裏技。
少量の酒又は水を入れ、沸騰させて焦げが浮いてきたタイミングで木べらで鍋底をこする。
こうすればたいていの場合、するっと剥がれます。ぜひお試しください♪
圧力鍋では、蓋をして加圧を始めてしまうと途中で蓋を開けることができません。
ふたをする前に、しっかり炒めて(焼き付けて)コクを出すことと、焦げ付きなどの問題点を解決しておくことってとっても大事です☆彡
まとめ
その1 鍋は適切な温度まで予熱してから素材を炒める
その2 少し素材が浮いてきたタイミングで木べらで上下を返す
その3 それでも引っ付く場合は酒又は水を入れ、浮かせてこする
以上3点のポイントを使って、煮込む前に炒めてから煮込むことで水っぽくない、コクのある仕上がりになるはずです。
お困りの方、お試しください☆彡
圧力鍋シリーズは今回で(完)
最後までお読みいただきありがとうございました♡
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